氣功はイメージトレーニング
気功の原点は、経絡に気を流すことです。
経絡とは、わかりやくいうと、肉体における電線です。電源(気)と電球(内臓)を結ぶもの。
最初は、その気をなかなか感じることができないこともありますが、少し練習するとわかるようになります。
そのためには、まず、リラックスすることが必要です。
自然にリラックスして心の安静な状態を保つことによって、気が感じられるようになります。
それは温感であったり、熱感だったり、痛みのような感覚だったりします。気功の各動作とともに、意識によって誘導しながら、ゆっくりと気を経絡にそって流れを導いていきます。
すると、体も心もさらにリラックスした状態になり、気の流れを感じられるようになります。
リラックス⇒気の体感⇒心の誘導⇒リラックス という循環を繰り返しながら気と心がぴったり重なる境地に到達していきます。
この状態になって初めて気功の動作に意味があり、効果も出てきます。
リラックスすればするほど、脳からの意識伝達がスムーズに経絡に流れ、気の発生を増幅させていきます。
意識の働きで気を導き、気の流れに意識を添わせるという繰り返しの中で、少しずつ自分の内側をしっかりつかむことができるようになり、意識しなかった気の働きがでてくるようになります。
気功の歴史
荘子の中に『気が聚(あつ)まればすなわち生、気が散ずればすなわち死』という節があります
これは、気というものがただ単に物質の背後に漂っているだけでなく、その気が一か所に集まっていけば、死に至るようなもの。
宇宙の流れのなかで気が聚まって生命を生みだし、逆に気が散っていけば死に至るといして、その生成は相互に転化しているという気功の概念が述べられています。
呼吸法で『吸?(すいく)呼吸、吐(と)故納(このう)新(しん)、熊(のう)経(けい)鳥(ちょ)伸(しん)、為寿而己矣』
(吹や?の音を伴う呼吸、古いものを吐き出して新鮮な気を納める、熊のように背中をふるわせ鳥のように四肢を伸ばす、このようにすれば長寿あるのみである)。
この吹?(すいく)呼吸は特定の内臓を活性化させていくというものです。
吹といのは、chuiという音で、腎臓の音を表しています。
?はXUという音で肝臓の音です。呼はhuという音で脾経・胃に関する音です。
また、吐故納新は古いものを強く吐き出し、新しいものを納めることで体を浄化していくという呼吸法です。
納経鳥新は文字通り熊が歩くように、鳥が翔ぶときに、足を伸ばすようにその形をまねするものです。熊は繰り返し運動を表し、鳥はストレッチ運動を表しています。
これらは、今日まで伝わり行われ続けている気功の名作です。
また、『夏人の呼吸はこれをカカトを以てす』ともあり、足裏にまで気をめぐらし、全身のすべての経絡に気を流すというものです。
まさに気功の極致ともいうべきものです。
これらの思想は、仏教などの宗教に結びついて、密教や禅の源流となったものです。