気功と呼吸法
気功法の基本的心得として、3調節(調心・調息・調身)というのがあります。
- 調心は、心の雑念を払う。
- 調息は、腹式呼吸を行う。
- 調身は、全身をリラックスさせる。
生命は呼吸に支配されています。
ちっと疲れたから、今日は呼吸を休みますというわけにはいきません。
息という字は、自らの心の状態のことをさしています。
息を整えて、心を穏やかにすることによって、長生きできるということなのです。
息の仕方で人の命が決まるのです。
呼吸法を大きく分けると、胸式呼吸と腹式呼吸の2種類になります。
胸式呼吸は肋骨を開いたり、閉じたりしたりする呼吸で、腹式の場合は、横隔膜を上げたり下げたりして行います。
呼吸をコントロールしている神経中枢と、感情や血圧と関わりあいの深い神経中枢とかが、脳の中で近い位置にあるので、呼吸の乱れを正すと感情や血圧が安定します。
また、呼吸は寝ている時も自立神経によって、コントロールされています。
自立神経には、交感神経と副交感神経があります。息を吸うときには、交感神経が活発になり、息を吐くときには副交感神経が活発になります。
交感神経は攻撃的な性質があり、副交感神経は、安らぎをもたらす働きがあります。深呼吸することは、この交感神経の緊張を和らげ、副交感神経を活発にさせることになります。
息を吐くと、ほっとして、気が楽になり、気が晴れ晴れして、心も開き、体もくつろぎます。
息を吸うと、集中力が高まり、意識は焦点を結び、気力は満ちて、体は緊張します。
息を止めると、心気は一点に止まり、念力や定力という普通以上の力が発揮されやすくなります。
この呼吸を意識する(心で思い描いた通りに気が流れるようにする)方法を身につけ、自在に気を出し入れできるようになります。